自律神経の簡易検査 心電図R-R間隔 Coefficient of Variation of R-R interval CVR-R

パーキンソン病では、起立性調節障害(起立性低血圧)が病気が進行するにつれて出現します。レビー小体型認知症では初期から認められます。

起立性調節障害の検査に、Schellong testやHead-up Tilt testがあります。

Schellong testは、まず診察台などで10分〜15分ほど仰臥位で安静になったのち、安静時の血圧・脈拍を測定します。その後、速やかに起立し、その後1分毎に約10分間、立位のまま血圧と脈拍を測定します。起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下、または拡張期血圧が10mmHg以上低下した場合、起立性調節障害と診断します。

Head-up Tilt testは、患者をベルトで固定できる専用の電動ベッドを約60〜80度の角度に起こし、15分から45分間、血圧と心電図をモニタリングして、血管迷走神経反射による急激な血圧・心拍数低下を確認します。

これらは、パーキンソン病・レビー小体型認知症の患者には負担のかかる検査です。

簡易に自律神経を検査する方法として、心電図R-R間隔(Coefficient of Variation of R-R interval:CVR-R)があります。Rとは心電図のR波のことです。

心電図で並ぶR波の長さ、R-R間隔を見ると、心房細動などの不整脈がなければ、規則正しく波が並びます。

しかし、脈は微妙に揺らいでいます。健常人では、吸気時にR-R間隔は短縮し、呼気時にR-R間隔は延長します。吸気時には、心拍数を下げる働きを持つ「副交感神経(迷走神経)」の活動が一時的に弱まり、心拍数が上昇します。また、吸気時には胸腔内圧が下がり、血液が心臓に戻りやすくなります。この血流量の増加に対応するため、心拍数が一時的に上昇します。つまりこの変動が、自律神経である副交感神経と交感神経の働きによるものなのです。

CVR-R は以下の計算式で算出されます。

CVR-R =
R-R間隔の標準偏差
R-R間隔の平均
× 100 (%)

このCVR-R は一般に2.0%以上が正常ですが、加齢により減少します。

正常値 平均 下限
5~9歳 7.25 3.61
10~19歳 5.67 3.01
20~29歳 4.92 2.46
30~39歳 4.02 2.13
40~49歳 3.21 1.66
50~59歳 2.80 1.41
60~69歳 2.68 1.25
70~79歳 2.37 1.14

藤田順子ら 糖尿病 30(2) 167-173, 1987

東京労災病院 脳神経内科 三品雅洋

コメント

このブログの人気の投稿

池上総合病院訪問記

東京労災病院監修弁当 京急ストアにて発売になりました。

高尾みころも霊堂で令和6年産業殉職者合祀慰霊式が厳かに実施されました